社労士試験講座ポイント解説

厚生年金保険法

離婚時における厚生年金の分割制度

1.年金分割の請求
(1)原則として、離婚等が成立した日の翌日から2年以内に、年金事務所等に標準報酬改正請求をする。異なる種別の被保険者期間を有する場合は、すべて同時に請求しなければならない。
(2)標準報酬改定請求の対象期間
 ①離婚をした場合は、その婚姻期間
 ②婚姻の取消しをした場合は、その婚姻が成立した日から取り消された日までの期間
 ③事実上の婚姻関係と同様の事情があった当事者の、その事情が解消された場合は、当事
 者の一方が他方の被扶養配偶者である第3号被保険者であった期間(事実婚第3号被保険
 者期間)。

2.標準報酬改定請求の効果
(1)効力お発生
 婚姻等による改定後の標準報酬は、標準報酬改定請求を行った日以後、将来に向かってのみ、その効力を有するので、過去に普及して年金額が改定されることはない。
(2)離婚時みなし被保険者期間
 対象期間のうち分割を行う側の人の被保険者期間であって、分割を受ける側の人の被保険者期間でない期間は、分割を受ける側の人の被保険者期間とみなされる。
(3)離婚分割による年金の支給開始
 それぞれ老齢厚生年金の受給権を取得した時から支給が開始される。自分自身の老齢厚生年金の支給開始年齢に達していない間は、離婚分割による年金を受給することはできない。既に老齢厚生年金を受給している人は、標準報酬改定請求のあった日の属する月の翌月から、老齢厚生年金の額が改定される。

2024/5/17