社労士試験講座ポイント解説

労働基準法

フレックスタイム制のポイント

1.フレックスタイム制の採用要件
(1)就業規則において始業および終業の時刻を労働者の決定に委ねることを規定すること
(2)労使協定で次の事項を協定すること
①対象労働者の範囲
②清算期間(3ヶ月の以内の期間に限る)
③清算期間中の総労働時間
④標準となる1日の労働時間
⑤コアタイム(労働者が必ず労働しなければならない時間帯)を定める場合は、その時間帯の開始、終了時間
⑥フレックスタイム(労働者の選択により労働することができる時間)に制限を設ける場合は、その時間帯の開始、終了時間

2.清算時点で労働時間に過不足が生じた場合 
(1)清算期間において、実際の労働時間に過剰があった場合
 総労働時間として定められた時間分のみをその期間の賃金支払日に支払い、それを超えて労働した時間分を次の清算期間中の総労働時間の一部に充当することは認められない。したがって、過剰分の賃金も含めてその期間の賃金支払日に支払わなければならない。
(2)清算期間において、実際の労働時間に不足があった場合
 総労働時間として定められた時間分の賃金をその期間の賃金支払日に支払い、それに達しない時間分を、次の清算期間中の総労働時間に上積みすることは、法定労働時間の総枠の範囲内である限り、差し支えない。
(3)フレックスタイム制を採用した場合は、時間外労働の判断は、清算期間を単位として行なうので、清算期間における法定労働時間の総枠を超えない限りは時間外労働とはならず、割増賃金の支払の必要はない。
(4)精算期間が1ヶ月を超え3ヶ月以内の場合は、1ヶ月ごとに区分した各期間ごとの週平均労働時間が50時間を超えた場合、その超えた時間について、その月における割増賃金の支払が必要となる。
(5)清算期間が1ヶ月を超える場合は、労使協定を所轄労働基準監督署に届出なければならない。

2024/5/19