社労士試験講座ポイント解説

国民年金法


付加年金について

1.付加年金とは
付加年金は、国民年金に上乗せして加入できる年金制度です。毎月の国民年金保険料に400円を上乗せして納めることで、将来受け取る老齢基礎年金に加算されます。

2.加入できる人
付加年金に加入できるのは、国民年金の第1号被保険者(自営業者、農業者、学生など)と任意加入被保険者です。ただし、国民年金基金に加入している人や、国民年金保険料の免除を受けている人は加入できません。

3.付加年金の保険料
付加年金の保険料は、月額400円です。国民年金保険料と合わせて納付します。

4.付加年金の金額
付加年金の年金額は、「200円 × 付加保険料納付月数」で計算されます。例えば、20歳から60歳までの40年間付加年金を納めた場合、年間の付加年金額は、200円 × 480ヶ月 = 96,000円となり、老齢基礎年金に年間96,000円が上乗せされます。

5.付加年金のメリット
①少ない負担で年金額を増やせる
月額400円という少額の保険料で、将来受け取る年金額を増やすことができます。
②納めた保険料が比較的早く回収できる
付加年金は、年金受給開始から2年で納めた保険料の元が取れると言われています。
③保険料は全額所得控除の対象
納めた付加年金保険料は、年末調整や確定申告で社会保険料控除として全額所得控除の対象となります。

6.付加年金のデメリット
①年金受給前に死亡した場合、保険料は戻らない
年金を受け取る前に亡くなった場合、納めた付加年金保険料は遺族に支給されることはありません。
②インフレに弱い
付加年金の年金額は固定されており、物価上昇による価値の目減りがあります。
③国民年金基金との併用はできない
国民年金基金に加入している場合は、付加年金に加入することはできません。

7.まとめ
付加年金は、月額400円という手軽な保険料で、将来の年金額を上乗せできる制度です。特に自営業者やフリーランスの方など、老後の年金受給額を増やしたい方にとって有効な手段の一つと言えるでしょう。ただし、デメリットも理解した上で、ご自身の状況に合わせて加入を検討することが大切です。ご不明な点があれば、年金事務所に相談することをおすすめします。

2025/3/29