振替加算について
1.振替加算とは
振替加算は、配偶者が厚生年金や共済年金に加入していた期間がある場合に、一定の条件を満たす配偶者自身の老齢基礎年金に上乗せして支給される年金です。
2.なぜ振替加算があるのか?
振替加算が設けられた背景には、国民年金制度が始まった当初、専業主婦(特に夫が会社員や公務員だった場合)は国民年金に加入する義務がなかったという歴史的な経緯があります。そのため、夫が厚生年金や共済年金に加入していた期間、妻は国民年金に加入していなかったため、老後に受け取れる年金が少なくなってしまう可能性がありました。振替加算は、このような夫婦間の年金額の差を調整し、老後の生活を保障する目的で設けられました。
3.振替加算の対象となる人(主な要件)
振替加算を受けられるのは、以下のすべての要件を満たす者です
①大正15年4月2日以降に生まれた者(生年月日によって、振替加算の額が異なります)
②老齢基礎年金の受給権がある者
③配偶者が以下のいずれかの年金を受けている、または受ける権利がある者
・老齢厚生年金(20年以上の加入期間があるもの)
・退職共済年金(20年以上の加入期間があるもの)
④配偶者の老齢厚生年金または退職共済年金の計算の基礎となった期間に、その配偶者に扶養されていた期間がある者
⑤自分が65歳になった時点で、配偶者が上記の年金を受けている、または受給権がある者
4.振替加算の金額
振替加算の金額は、配偶者の生年月日等により決まります。配偶者の生年月日が早いほど、振替加算の金額は高くなります。
5.まとめ
振替加算は、かつて国民年金に加入義務がなかった専業主婦などの老後の生活を支えるための制度です。配偶者の年金制度加入状況や自身の生年月日など、いくつかの要件を満たす必要があります。ご自身が振替加算の対象になるかどうか、また、具体的な金額について知りたい場合は、日本年金機構のウェブサイトで確認したり、最寄りの年金事務所に相談することをおすすめします。