社労士試験講座ポイント解説

国民年金法


国民年金の保険料の免除について

国民年金保険料の免除制度は、経済的な理由などで保険料を納めることが困難な場合に、保険料の納付を免除してもらえる制度です。将来の老齢基礎年金を受け取るために非常に重要な制度です。大きく分けて、法定免除と申請免除の2種類があります。

1. 法定免除
法定免除は、特定の要件に該当した場合に、保険料の納付が免除される制度です。主な要件は以下の通りです。

①障害基礎年金または被用者年金の障害年金(1級・2級)を受けている場合
②生活保護法による生活扶助を受けている場合
③厚生労働省令で定める施設に入所している場合

免除期間も年金受給資格期間には含まれますが、老齢基礎年金の年金額を計算する際には、全額納付した場合の2分の1(平成21年3月以前は3分の1)として計算されます。

2. 申請免除
申請免除は、ご自身の所得状況などに基づいて、ご自身で申請することで保険料の納付が免除される制度です。経済的な理由で保険料を納めることが難しい場合に利用できます。申請免除には、以下の種類があります。

①全額免除: 所得が少なく、保険料を全く納めることが困難な場合に該当します。
②一部免除: 所得に応じて、保険料の一部(4分の3、半額、4分の1)の納付が免除される。

申請免除の対象となる所得の基準は、扶養親族等の数によって異なります。具体的には、前年の所得が一定額以下であることが要件となります。

①全額免除:(扶養親族等の数+1)× 35万円 + 32万円
②4分の3免除:85万円 + (扶養親族等の数 × 38万円)
③半額免除:128万円 + (扶養親族等の数 × 38万円)
④4分の1免除:168万円 + (扶養親族等の数 × 38万円)

3. 納付猶予制度
20歳から50歳未満の方で、本人または配偶者の所得が一定額以下の場合には、保険料の納付が猶予される制度。この制度は、免除とは異なり、将来的に保険料を納付する必要がありますが、当面の経済的な負担を軽減することができます。

4. 学生納付特例制度
学生の方で、所得が一定額以下の場合には、在学中の保険料の納付が猶予される制度。こちらも将来的に追納することができます。

5.まとめ
国民年金の保険料免除制度は、経済的に困難な状況にある方にとって、将来の年金受給資格を得るための重要なセーフティネットです。ご自身の状況に合わせて、これらの制度を有効に活用してください。

2025/4/17