社労士試験講座ポイント解説

労働者災害補償保険法②

通勤途中の逸脱・中断について

今回は通勤途中の逸脱・中断について解説します。

労災保険は労働者の業務中及び通勤途中のケガや病気等を補償する保険です。ただし、通勤途中に経路の逸脱又は中断があった場合、それ以後は通勤とはみなされず補償の対象外となります。

ここで言う逸脱とは、通勤の途中に仕事又は通勤と関係ない目的で合理的な経路を逸れることをいいます。中断とは、通勤経路上において通勤とは関係のない行為を行うことをいいます。

ただし、逸脱や中断があったとしても、それが日常生活上必要な行為で、やむを得ない理由により最低限度の範囲で行われる場合は、その間は通勤とはみなされませんが、合理的な経路に復した後は通勤とみなされます。

(日常生活上必要な行為)
・日用品の購入等その他これに準じる行為
・職業訓練等の受講
・選挙権の行使等その他これに準じる行為
・病院等の受診又は治療その他これに準じる行為
・要介護状態にある一定の親族の介護 等

また、通勤途中のささいな行為による逸脱・中断はその間も含めて通勤とみなされます。

(ささいな行為)
・通勤途中にある公衆便所の使用
・通勤途中にある公園での休憩
・通勤途中にあるコンビニ等での買い物 等

(本日のポイントまとめ)
・労災保険は通勤途中のケガや病気も補償される
・通勤中に逸脱・中断があった場合、それ以後は通勤とはみなされない
・日常生活上やむを得ない行為は行為中は通勤ではないが復帰後は通勤とみなされる
・ささいな行為は行為中も復帰後通勤とみなされる

2021/12/13