社労士試験講座ポイント解説

労働者災害補償保険法③

給付基礎日額について

本日は労働者災害補償保険法の給付基礎日額について解説します。

(1)給付基礎日額とは
給付基礎日額とは労災保険の補償給付の基礎となる金額のことです。給付基礎日額は労働基準法12条の平均賃金に相当する金額とされています。原則は労災事故発生以前3ヶ月間の賃金総額を、同期間の総日数で除した1日あたりの平均額となります。

(2)給付基礎日額の特例
給付基礎日額は次の①〜③の場合は、(1)の原則的な方法で計算すると労働者にとって不利になるおそれがあることから、特例計算が認められており、所轄労働基準監督署長が決定します。
①平均賃金の算定期間中に私傷病等により休業した期間がある場合
②じん肺にかかったことにより保険給付を受けることになった場合
③船員の賃金が乗船時と下船時で大きく変動する場合

(3)給付基礎日額の最低保証額
(1)又は(2)で算定した給付基礎日額が、自動変更対象額3,940円に満たない場合は、3,940円が給付基礎日額となります。この最低保証額は、前年度の労働者1人あたりの1ヶ月平均給与額の変動に伴い毎年8月1日に変更されます。

(本日のポイントまとめ)
・給付基礎日額は労災事故発生以前3ヶ月間の平均賃金日額
・特定のケースでは特例計算により労働者の不利なならないような配慮がされている
・給付基礎日額の最低保証額は3,940円(令和3年8月1日〜)

2021/12/29