社労士試験講座ポイント解説

厚生年金保険法⑧

事後重症による障害厚生年金

(1)障害厚生年金の支給要件

障害厚生年金は次の①〜③を満たした場合に請求することができます。

①初診日において被保険者であること(初診日要件)
②障害認定日において障害等級1級〜3級に該当していること(障害認定日要件)
③初診日前日において保険料納付要件を満たしていること(保険料納付要件)

(2)障害の程度が事後に悪化した場合の措置

障害認定日要件を満たさず障害厚生年金の請求ができなかった場合でも、その後、障害の程度が悪化して障害等級1〜3級に該当した場合は、障害厚生年金を請求することができます。これを事後重症の障害厚生年金といいます。

(2)請求期限

事後重症の障害厚生年金は、受給権者が65歳に達する日の前日までしか請求することができません。請求期限が65歳の前日までという点に注意が必要です。

(3)老齢基礎年金との留意点

繰り上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、すでに65歳に達している者とみなされるため、その後、障害の程度が悪化して障害等級に該当したとしても事後重症の障害年金の受給権は発生しません。

(本日のポイントまとめ)
・障害厚生年金を受給するには障害認定日に一定の障害等級に該当している必要がある
・障害認定日に障害等級に該当しなくても事後に該当した場合は受給権が発生する
・事後重症の障害厚生年金の請求期限は65歳前日まで
・老齢基礎年金の繰り上げをした場合は事後重症請求はできない

2022/4/2