社労士試験講座ポイント解説

社会保険一般常識⑨

船員保険について

(1)船員保険とは

船員保険とは、船員又はその被扶養者の職務外の事由による傷病、死亡、出産及び労災保険の補償の上乗せとして職務・通勤上の傷病、障害、死亡に関する保険給付を行う公的医療保険をいいます。

(2)被保険者

被保険者は、船員法1条に規定する船員として、船舶所有者に使用される者及び疾病任意継続被保険者です。

(3)保険給付

船員保険の保険給付は健康保険とほぼ同じですが、一部健康保険と異なる規定があります。具体的には以下のとおりです。

①傷病手当金
支給期間→3年間(健康保険では1年6ヶ月)
待機期間→なし(健康保険では連続3日間)

②休業手当金
労災保険の休業補償給付の上乗せとして支給されます。支給額は休業した最初の3日間は標準報酬日額の全額が支給され、4日目以降は標準報酬日額の40%が支給されます。

③行方不明手当金
被保険者が職務上の理由により、1ヶ月以上行方不明となったとき、被扶養者に対して行方不明となった日から3ヶ月を限度に、1日につき標準報酬日額と同額が支給されます。

(本日のポイントまとめ)
・船員保険は船員及びその家族に対して独自に適用される公的医療保険制度
・保険給付には健康保険と一部異なるものがある
・傷病手当金の支給期間は3年間、待機期間はなし
・休業手当金は労災保険の休業補償給付の上乗せ給付
・行方不明手当金は船員という職業を考慮した船員保険独自の保険給付

2022/4/13