社労士試験講座ポイント解説

厚生年金保険法⑪

遺族厚生年金について

(1)遺族厚生年金とは

遺族厚生年金とは、被保険者又は被保険者であった者が死亡したときに、遺族に対して支給される年金を言います。

(2)支給要件

遺族厚生年金を受け取るには、次の①〜④のいずれか及び⑤を満たす必要があります。

①被保険者が死亡したこと(短期要件)
②資格喪失前に初診日のある傷病により資格喪失後5年以内に死亡したこと(短期要件)
③障害等級1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者が死亡したこと(短期要件)
④保険料納付済期間等が25年以上の老齢厚生年金受給権者等が死亡したこと(長期要件)
⑤上記①②の場合、保険料納付要件を満たしていること

※保険料納付要件→死亡日の前日時点で死亡月の前々月までの保険料納付済期間等が全体の3分の2以上又は直近1年間で未納月がないこと

(3)支給額

年金額=老齢厚生年金額✕4分の3
※老齢厚生年金額の計算は、短期要件を満たしているか、長期要件を満たしているで異なります。

(4)支給対象者

被保険者等の死亡当時生計を維持されている①配偶者(夫の場合は55歳以上)又は子(18歳未満)、②父母(55歳位以上)、③孫(18歳未満)、④祖父母(55歳以上)の順番で支給されます。先順位の者に支給されるときは後順位の者には支給されません。また、妻以外は年齢制限があります。

(本日のポイントまとめ)
・障害年金受給権者(1・2級)、老齢厚生年金受給権者(25年以上)には保険料要件がない
・年金額の計算は短期要件、長期要件により異なる
・妻以外の支給対象者には年齢制限がある

2022/5/2